自作文芸 一覧

回文集と回文で見えてきたもの

回文集と回文で見えてきたもの

ニーチェ吹く「神は死んだ」で男子は味覚フェチに (にーちぇふくかみはしんだでだんしはみかくふぇちに) サルトルは笑みの写真。斜視の見栄張る「撮るさ!」 (さるとるはえみのしゃしんしゃしのみえはるとるさ) ズラ詩人、「髪」のみ漢字知らず (ずらしじんかみのみかんじ......

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歌集:そっと木の実を置き去る妖怪

歌集:そっと木の実を置き去る妖怪

シュール・妖怪の短歌 シャンプーをしている背後ナニモノかいるような気がそっと振りむく おでこにチュ ついでにそっと「さよなら」を骨伝導で告げる恋人 芳一は行方不明のままメモの書かれた左手だけが見つかる 生きたまま腸にとどかず亡くなったビフィズス菌を祀る神社......

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小説:博士の異常な乳首

小説:博士の異常な乳首

今日,博士が,人口乳首の開発に成功しました.いきなり人口乳首といわれても,ピンとこない方のために,助手のわたしが,少し説明しましょう. 形態は,乳首そっくりのピップエレキバンといった感じで,それを貼ると,仕掛けられた 2.8 fm の繊毛センサー( 1 fm = 10-15......

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小説:World’s End

小説:World’s End

遠くからサイレンの音が聞こえる。 朝のバスが止まっていて、徒歩で学校に着いたときにはすっかり遅刻していた。教科書も忘れていたが、チャイムが鳴っても誰も来なくて、授業は始まらなかった。昼ごろ売店で代金を置いてから賞味期限の切れたパンをもらって、ひとりで教室で食べた。放課後にな......

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小説:野薔薇

小説:野薔薇

 と或る時期外れの民宿で、私は特に用事も無く、休憩室の本棚から適当な巻数の漫画を引っ張り出してぱらぱらと捲ったり、一人旅の退屈さを満喫していた。  煙草に火を点けて灰皿の無い事に気付き、宿の女将を呼ぶと、丁度女将も退屈していた様で、人好きのする饒舌な話ぶりに相槌を打つだけの......

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小説:手紙

小説:手紙

高校のころ、何も書かれていない手紙をもらったことがある。 それは便せんに入っていて、私の下駄箱に投函されていたから住所や宛名を書く必要はないが、中身もまっしろだったのはおどろいた。とうぜん差出人も書かれてなかった。 もしこれが友人らのしわざで、共謀して私をかつぐ気なら......

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小説:ほんとうのしあわせ

小説:ほんとうのしあわせ

原チャリを買ったので、近くの海まで行ってみる。 水着も何もないのでボケッと海岸を眺めていたら、珍しい大きめの亀いた。産卵してるのかと思ったが、どうやらバタバタしてるだけのようだ。ずっと前に動物園で見たゾウ亀に似ている。 数人の子供らが来て、蹴ったり砂をかけたり亀をいじ......

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小説:ソのシャープ

小説:ソのシャープ

――この前の、そう、お稽古の時にね、子供たちにドレミの歌を教えてたのよ。それで……ちょっと、聞いてる? いやだわ、もう。それでね… 通路は不規則な黒白模様で、ピアノの鍵盤の上を歩いているようだった。 滝沢杏子はわざとらしく足音を立てて歩いたが、当然コツコツと靴底の音がした......

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小説:図書室

小説:図書室

僕は、なんとなく目についたエリオットの詩集に手を伸ばす。 「あっ」 もう一つの手が僕の手に重なり、僕とその手の主は、ほぼ同時に声を上げる。 そして、僕は、恋に落ちてしまった。 「お先にどうぞ」と彼女は言った。 「僕は後でいいですよ」と僕は言った。 気まずい時間が流れる......

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