ブシェーミ in パリ

’99年の夏、パリの街にはいたるところにスティーヴ・ブシェーミの看板があった。ブシェーミといえば、超大作に顔を出したかと思うと、よくわからないB級映画で怪演していたりする俳優だ。

私は好きだが、人気があるのかは知らない。たぶんない。
看板の右下に赤字でH&Mと書いてあり、どうやらファッション・ブランドのものらしい。ブシェーミの起用によるイメージ戦略を狙っているのかもしれない。彼にどんなイメージを期待しているのだろう。
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それにしてもどうして、よりにもよってブシェーミなのか。口元がだらしないブシェーミである。副詞なら「にたにた」、感動詞なら「しめしめ」、そんなブシェーミである。

もしかしたらイメージは「犯罪者っぽさ」か。
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幾度となく看板を見ているうちに気づいた。

数バージョンある写真は、徹底してブシェーミの口が閉じられている。上の写真はそれを裏づけるようなくわえタバコ。彼の魅力は、開いた口のだらしなさなのに。

口を閉じたブシェーミは、関節技を禁じられたカール・ゴッチのようだ。
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しかし確実に言えるのは、もし東京にブシェーミの看板が立ったら大変なパニックになるということだ。それだけパリに住む人々のセンスや許容範囲は広いのだろう。

これに関しては、さすが「ファッションの都」と言われるだけの貫禄を感じる。
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バス停でたたずむ女性、その目線の先に熱いものを感じるのは私だけだろうか。

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