アニメーターTIPS:タップ穴を守れ! 4K時代の作画用紙管理法

アニメ業界ではデジタル作画が話題ですが、まだまだ紙と鉛筆のアナログ作画はつづきます。今後は高解像度の画面にするために作画用紙のサイズが大きくなります。

いまよく使われているA4サイズの作画用紙だと、4K(3840×2160ピクセル)はおろか、フルHD(1920×1080ピクセル)だとしても紙が小さすぎます。スキャンするとガタガタの荒れた線になってしまう。しかし用紙がA3サイズになると、今度は紙が大きすぎてパラパラ見ることすらやりづらくなってしまう。

おそらくギリギリ使いやすい作画用紙はB4サイズが限界点でしょう。ちなみにB4サイズ作画用紙だと150dpiほどでスキャンすればフルHD(1920×1080)に届きます。もしこれ以上の用紙の大きさが必要なら、いっそデジタル作画に移行する方がいいかもしれません。

で、ここからが本題。

アニメ業界のみなさまは、ふだん作画用紙をどのようにタイムシートに包んでいるでしょうか。作画用紙がB4以上になると、ちょっと困ったことになるのです。

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A4用紙は折りたたんだタイムシートにすっぽり包まれて守られているのですが、B4用紙だとはみだします。このちょっとはみだした部分を引っかけて、よくタップ穴を壊してしまうのです。

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あるいは、はみだした部分の紙が曲がってしまい、タップに刺しづらくなってしまう。枚数の多いカットで用紙に折りあとがついてしまうと、もう……。

tap05

劇場作品や大判作画の多い作品でよく見られる悲しい光景です。

担当するカット数がせいぜい10~50カットくらいなら「気をつければいいじゃん」で済む話なんですよね。しかし300カット以上を取り回す役職だと、気をつけてなんとかなる範囲を超えてしまう。

アニメ製作工程のうしろの方では、すでにタップ穴の壊れた状態で素材を受けとることが増えます。壊れたタップ穴は誰かが泣きながら直します。

では、どうすればいいのか。

実は対策はかんたんです。

tap03

作画用紙をひっくり返して、タップ穴を内側に入れればOK。たったこれだけ。タップ穴がタイムシートで守られて劇的に壊れにくくなります。

A4サイズの作画用紙でも、縦に長くつなげるときは用紙をひっくり返します。

tap04

こういう作業はクセにしてしばえば、考えなくても自然に手が動いて、用紙をひっくり返してタイムシートに包むことができるようになります。

私が演出処理を担当するとき、ときどきこのように大きいサイズの作画用紙がひっくり返った状態でやってきます。自分より後工程の作業者への、ちょっとした「気づかい」を感じて、うれしくなるものです。

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