好きな名前

僕は「ゆうじ」という名前が好きで、もし何かに命名する機会があったら(たとえばプリンターとかに)、まっさきにつけてやろうと思っている。

「ゆうじ」は「ゆーじ」と真ん中がのばせるのが素晴らしい。あと、その日の気分で「ゆーじ」、「ゆ~じ」、「ゆ→じ」と替えられるのもステキだ。とにかく良い名前なんである。

僕が一人暮らしを始めたころの話だけど、曰く「入学祝いの…」とか「新しい門出を祝して…」と勧誘の電話が、実家にも下宿先にもけっこう懸かってきた。

最初こそ丁寧にお断りしていたが、そのうち面倒になり、その手の電話には「興味ないッス」とか「あ、天国のおじいちゃん?」と、投げやり且つ意味深な対応をしていた。少なくとも、相手にこいつはヤバイぞと思わせることには成功していたはずである。

勧誘電話の中に、たまにとびきり愛想のいい人がいて、普通に世間話で盛り上がったこともあった。もちろん愛想の良さも相手の常套手段で、こちらがスキを見せると「下の名前を教えてもらえる?」と訊いてきたりしたが、そういうときには決まって「平川ゆうじです」と嘘をついていた。

そうこうしているうちに勧誘電話の相手が初めから僕を「平川ゆうじさんですか」と訊いてくるようになった。こういう電話番号は業者から業者へ回されているんだな、と改めて実感できたわけだ。

ところがである。先日、とある宝石ショップが新装開店したので是非お出でくださいの勧誘電話で、開口一番こう言われた。

「平川アキオさんですか?」

誰だアキオって。

最近、アキオも良い名前だな、と思っている。

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