北京旅行記 – 5 食べたものなど・おわりに

北京人と食事

私が学校で北京語を習っていたとき、中国人である講師が「わたしたちは生活が貧しくても食事はしっかり取ります。おいしいものが食べられれば、それで幸せなのです」と言っていた。

そしてよく中国人は、翼のあるものは飛行機以外、四歩足のものは机以外、なんでも食べるともいう。人体に有毒である植物も、漢方として体内に入れたりするくらいだから、こんな冗談にも素直にうなづける。

「食」に対する思い入れの強さを考えれば、広い中国のどこかには、飛行機や机を食べた人がいてもおかしくない。

ついでに北京語の講師は「貧乏な中国人は虫みたいな生活をしています」とも言っていた。妙に生々しく聞こえて、いやな気分だったが、もしかしたら虫には「珍味」としてあまり悪い意味はないのかもしれない。

路上で豆を炒っている女性

路上で豆を炒っている女性

屋台の牛肉麺

屋台の牛肉麺

中国四大料理

ひとくちに中国料理といっても、広大な領土に多くの民族が混在するこの国では、使用する食材から調理法まで、無限にあるといって過言でない。代表的な中国料理は、四川、上海、広東、北京の四つに大きく分けられ、「中国四大料理」と呼ばれる。

四川料理は暑く蒸しやすい盆地で発達したこともあって、腐らないように香辛料をふんだんに使った料理が多い。中国で激辛といえば、四川料理と思って間違いないだろう。日本では坦々面や麻婆豆腐などがよく知られている。

上海料理は食材が豊かな江南地方で発達した。そのため素材を活かした料理、とくに魚介類が多くなっている。味つけは醤油や砂糖をよく使う。メインディッシュが魚のあんかけ料理なら、上海料理に違いない。

広東といえばゲテモノ料理が有名で、よくテレビでダチョウ倶楽部がお世話になっている。もちろんゲテモノだけではなく、海鮮から野生まで「食は広州にあり」と言われるくらいの種類の豊富さを誇っている。世界各地の中華レストランは、ほとんどが広東料理で、日本でも酢豚や八宝菜、チャーシューなどが有名。おなじみ「飲茶」も発祥は広東らしい。

最近では中国も経済の開放政策が進み、どの地方でもいろいろな料理が食べられるようになっている。大きなレストランなら、たいていこの四大料理の有名どころを注文できるだろう。特に広東料理は奥が深いので、食べくらべてみるのも面白いかもしれない。

注文の仕方が日本とはやや異なるので、しっかりガイドブックで予習しておくと、どこの料理店でも困らないですむだろう。

おしゃれなカフェもあったりする

おしゃれなカフェもあったりする

スーパーの棚を見るのも面白い

スーパーの棚を見るのも面白い

北京うまいもの紀行

北京料理といえば、その名もずばり北京ダックが有名だ。私たちの行ったこのツアーは、北京ダックの夕食がコースのひとつとしてあり、夕食の席に座るなりコックが焼きあがったアヒルをさばきはじめた。

あれよあれよという間に皮だけきれいに剥がされ、ネギや味噌、薬味などといっしょにクレープのようなもので包んで食べる。

コックの手際のよさに圧倒され、さらに食べることに夢中になり、写真を撮るのも忘れてしまっていた。ほとんど食べ終わったころに気づき、あわててカメラに収めたものが下の写真になっている。北京に旅行の際はぜひ食べていただきたい。

北京は寒い地方ということもあって、油をたっぷり使った体の温まる高カロリーな料理も数多くある。味つけも非常に濃厚だが、不思議とたくさん食べられ、あとに響かない。食べすぎにはくれぐれも注意したい。

日本に帰って体重計に乗ってから後悔しても遅いのである。

うまいうまい

うまいうまい

売ってる油の量もハンパじゃない

売ってる油の量もハンパじゃない

チャオズは指折り数えて

北京には、粉食と呼ばれる小麦粉を使った料理も多い。まんじゅう、焼餅、包子などがある。日本ではギョーザや肉まん、うどんなどがよく知られていて、すっかり日本食だと思っている方もいるのではないだろうか。

先ほども書いたとおり、中国では注文の仕方がむずかしい。ギョーザや包子、場合によっては魚やカニなども重さで注文する。中国の重さの単位は「斤」と「両」で、それぞれ 1斤=500g 、 1両=50g になっている。重さあたりの値段にも気をつける必要がある。

私と連れがギョーザ専門店に行ったとき、この 1斤=500g がどれほどの量かわからずに注文しようとしたら、偶然とおりかかった中国在住の日本人の方に「半斤で充分だよ」と教えてもらった。

出てきた半斤のギョーザはなるほど大量で、すっかり満腹なところにさらに詰めこむかたちとなった。約3両(150g)が、日本のお茶碗一杯の量に相当するらしい。半斤(250g)は、だいたいお茶碗一杯半くらいになるだろう。

私たちの食べた店では、たっぷり食べて12元(180円)だった。ふたり分の値段なので、ひとり90円。美味しくて、しかも安いので、小腹が減ったときなどにオヤツとして食べてもいいと思う。

その際は、自分が食べられるだけの重さをきちんと計り、『ドラゴンボール』のチャオズのように指折り数えて注文していただきたい。

これがちょうど半斤のギョーザ

これがちょうど半斤のギョーザ

ギョーザ一個に二秒もかからない早わざ

ギョーザ一個に二秒もかからない早わざ

食べたものいろいろ

北京ダックやギョーザのほかにも、いろいろなものを食べた。写真が多くこのページだけでは紹介できないので、別項にまとめておいた。興味のある人は次のリンクを参照していただきたい。食べもの写真いろいろ


おわりに

旅行記を書く際、参考文献として『地球の歩き方』の中国、北京編を使った。ここからの引用も多々ある。いっしょに行った連れにも、地名や事柄など、思い出せない部分を補ってもらった。この場で感謝したい。

全章をとおして、情報を整理するために、やや偏った見方をしているところがある。ここに書いたことを鵜呑みにして知人に話すと、とんだ恥をかくかもしれない。気をつけていただきたい。

「500mlのコーラが30円で買える」と書いたが、コーラを浴びるほど飲んでも現金が減らない嬉しさは、とても文章で伝えることはできないと思う。「百聞は一見に如かず」のとおり、旅行記を熱心に読んだところで、旅の本質に触れることはできないのだから。

読者が北京に興味を持ち、実際に旅行に行ってみようと思っていただけたら、それで幸いである。

最後に、この言葉で、旅行記を終わりたい。

Don’t think, feel. ――― Bruce Lee

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