見上げれば透過光

 友達にしりとりの強いやつがいる。Kくんである。書くのもシャクだが、いままでに一度も勝ったことがない。Kくんの強さは主に精神攻撃にある。以下、Hがわたし平川です。

H 「旅ガラス」
K 「スリ」
H 「林道湖ファミリー牧場」
K 「ウリ」
H 「理科準備室」
K 「釣り」
H 「(またリか…)陸上自衛隊」
K 「椅子」
H 「(あれリじゃないぞ?)杉並区」
K 「栗」
H 「(フェイントか!)理科」
K 「カントリー」
H 「リ……リットン調査団、北へ(無理矢理)」
K 「ヘリ」
H 「(すでに切れ気味)リ……リ……リミッター」
K 「タモリ」

 「あしたのジョー」に舞々という技が出てくる。右左フックやアッパーで常に相手をロープの中心に固定し、倒れることもロープ際から離れることも許さない恐ろしい技だ。

 Kくんとのしりとりは、その舞々をかけられているような気分がする。しりとり序盤の「スリ」「ウリ」「釣り」はショートジャブ、フェイントをはさむ余裕を見せ、大技の「カントリー」。そしてまた「ヘリ」と基本のジャブにもどる。機械のように洗練された巧みな戦術である。

 いつも熱いしりとりバトルを終えると、堅い握手でおたがいをたたえ合う。今回もそのはずだった。わたしの手は握手をもとめるKくんの手をすり抜け、そのままわたしは前のめりにリングへと倒れこんだ。

 死因は体力の限界を超える減量と、最終ラウンドKのはなった「タモリ」と推定される。

カテゴリー: アニメ, 雑記

やってみたいこと

もしも僕が
広末涼子なら
やってみたいことが
5つある
そのうち3つだけは
死んでも言えない

カテゴリー: , 雑記

手紙

 高校のころ、何も書かれていない手紙をもらったことがある。

 それは便せんに入っていて、私の下駄箱に投函されていたから住所や宛名を書く必要はないが、中身もまっしろだったのはおどろいた。とうぜん差出人も書かれてなかった。

 もしこれが友人らのしわざで、共謀して私をかつぐ気なら、女性に代筆させたラブレターを投函しただろう。まわりをキョロキョロしながら「今日はひとりで帰る」などと言う私を物陰から笑うほうがイタズラとしては高度だと思う。

 だから、おそらく友人らじゃない誰かが何かのためにこんな手紙をよこしたか、または単なる手違いだ。

 しばらく気になって、家で手紙をながめていた。あらためて本紙を開いてもやはり何も書いてない。あぶり出しかと思ってコンロにかけてみても、結果は同じだった。

 数日後、本紙の消しゴムの跡に気づいた。きれいに隠されてはいるが、注意深く見てみると全体にわたってうっすら筆跡が残っている。特に冒頭は何度も何度も書き直したようで、その部分だけ退色して、もともとある横罫がかすれてしまっていた。

 この消した跡と横罫のかすれは、何もない手紙に意志のあることを想像させるには十分だった。しかし判ったことは結局それだけで、月がかわるころにはすっかり手紙のことは忘れていた。

 それから少し経って、バイト先で知り合った彼女と、つき合っているのにも関わらずラブレターを出し合おうという話になった。ふだん言ったり思ったりしてることを文字にして相手に読ませることで、また新鮮な気持ちになろうという企画だった(と思う)。

 ところが、新鮮な気持ちになるどころか、ひと文字も書けなかった。言葉は次々とあふれてくるのだが、書きとめる次から段のずれた編み物をしている気分になった。何度も書いては消して書いては消した。

 そのとき、ふと思った。このまま何も書かずに手紙を出してしまったら。彼女は消しゴムの跡でよごれてしまった手紙を見て、どう思うんだろう。できそこないの言葉で綴った手紙より、よっぽど正直な私の言葉を受け止めてもらえるだろうか。言葉にならない言葉を読んでもらえるだろうか。

 高校のころ、何も書いてない手紙を出したことがある。

 それは便せんに入っていて、手渡ししたから住所や宛名を書く必要はないが、中身もまっしろだったのはきっとおどろいただろう。とうぜん差出人も書いてなかった……

カテゴリー: 短編小説, 自作のもの

法則の利用価値

田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田

 同じ文字(これはたんぼの田)を連続で書くと文字に見えないの法則。

カテゴリー: 雑記

法則の世界

 雨の日はひとの顔を見て歩いてしまう。それがなぜだかこのまえ判った。

 雨の日は、自分の持っている傘でまわりの景色は見え隠れする。ひとの顔はその人の持っている傘と自分の持っている傘でもっと見え隠れする。

 常時見えるものは気にならないが、たまに隠れるものには目がいってしまう。

 これは「傘の法則」だ。

 ちなみにお風呂屋で、下をタオルで隠すひとのモノは見たくなる。隠さないで堂々としているひとのは、見たくない(精神衛生の上でも)。

 これは「タオルの法則」だ。

 いつかこの法則が役に立つ日を心待ちにしている。

 ちなみに「法則は役に立たないの法則」もあったりする。

カテゴリー: 雑記

図書館の戦士

 漫画の資料をさがしに学校の図書館へ行く。

 ほしいのは、日本全土と中国大陸の一部があるやつなので、室町-江戸時代にかけての貿易関係をあさることにした(地図帳とかはたぶんないので)。

 目的のものはすぐに見つかった。が、その本のとなりにこんな題名の本があった。

 『中国名医列伝』

 きっと恐ろしいサイコドクターがわんさか書いてあるんだろうなあ、と読みたい気持ちをおさえつつ、目的の本だけを借りた。いまは急いで漫画を描かなければならないのだ。

 図書館を出るとき、ぼくの背中には「作家魂」の三文字があった。

カテゴリー: 書籍, 雑記

キヨスク

 キヨスクは英語にも仏語にもあるそうだ。あとラテンな国にも同じ言葉がある。発音はキオスコとなるらしい。

 キオスクはどこの言葉なんだろう。なんとなくロシア語っぽい感じはある。キオスク。ピロシキ。クシシュトフ・キェシロフスキ(ポーランド人の映画監督)。

 今日はとくに何もない日だった。イタ電があったくらいか。

 ずっと無言の典型的なイタ電だったので、なんとなくこのキオスクの話をしたら、すぐに切られてしまった。

 イタ電の相手が、電話を切ったあと辞書でキオスクをひくところを想像。

カテゴリー: 雑記

先輩へのアドバイス

 ゲーム会社で働いている先輩とおしゃべり。

 聞けば仕事のグチがこぼれるかと思いきや「この仕事はせいぜい2年でやめる」とのこと。

 転職にダーマの神殿をおすすめした。

カテゴリー: ゲーム, 雑記

いろいろな2000問題

 気がつけばもう今年も終わりごろ。

 あと二ヶ月と半月で21世紀だというのに、いまだに実感がわかない。「2000年」とか「21世紀」という言葉は、どうしてもロボットが街を闊歩する近未来のイメージがつきまとう。

 ところで、日本銀行に2000円札がたまっていて問題らしい。ふと国会議員の給料をぜんぶ2000円札で支給したら、といういやがらせが頭をよぎる。

 議員の給料2000円札。いやがらせ問題解決。

 こんな世紀末。

カテゴリー: 雑記

ドラクエと私

 つらい現実を忘れるために、新しいドラクエをやっている。

 ご存じのかたも多いと思うが、ドラクエの主人公はしゃべらない。プレイヤーの思考すなわち主人公のそれなので、余計な口調などが省かれた「はい」と「いいえ」の選択肢しかない。

 つまり、場面ごとにプレイヤーがどのように感じるか、応じるかが自由なんである。そこらへんが主人公にキャラクター性のあるFFシリーズとは大きくちがう。

「この手紙を○○○さんに届けてもらえませんか」
「いいえ」
「そうおっしゃらずに。どうかお願いします」
「いいえ」
「そうおっしゃらずに。どうかお願いします」
「いいえ」
「そうおっしゃらずに。どうかお願いします」
「いいえ」
「そうおっしゃらずに。どうかお願いします」
「いいえ」

 中略。

「はい」
「ありがとうございます」

 どうやらぼくは、頼まれると断れないタイプのようです。

カテゴリー: ゲーム, 雑記