『ドリフだョ!全員集合』というCDの赤盤青盤の両方がそろった。
懐かしい曲、初めて聴いた曲に酔いしれていたら、ドリフが声を当てた人形劇『飛べ! 孫悟空』の主題歌である『ゴーウエスト』にこんな歌詞があった。
お腹がすいたぞ くたびれちゃったぞ
「どうするんだよ」
それでも人間しんぼうだンダカダン
西遊記のキャラは妖怪ばかりのはずだ。しんぼうするのはリーダーの三蔵法師(人間)だけなのか。あんまりだ。さらに言えば解説の
東村山音頭で一気に飛び出した志村けんは、新しい音楽への鋭敏なアンテナを持つ奇才で、志村こそがラップ・ミュージックの元祖と言っても過言ではないのだ。
というのは過言だろう。そんなことはともかく、おすすめCDです。
赤青盤ともに歌詞カードは古いドリフのレコード・ジャケットや番組から抜き出した写真で飾られているなか、青盤の荒井注は天使の輪を頭に空を飛んでいる。謹んでご冥福をお祈りしたい。
今年の初夢は、NHKの体操番組に「亀仙人が観ていたようなセクシーな女性の出ているやつはないのか」と不満をもらす自分の姿だった。起きてから急いでメモしておいたのでまちがいない。
ふだん夢を見ないだけに初夢の持つメッセージ性は注目したいところだが、これだけで今年の吉凶を判断するのはむずかしい。キーワードは「亀仙人」と「セクシー」だろうか。
早くも新年のスタートダッシュは見当違いの方向に飛び出した気配がする。
実家にいる間、友達からギターを借りて中高生のころの自作曲を弾いてみた。ところが、ちょっとした今世紀の締めくくりのつもりが、自分の曲なのにほとんどまともに弾くことができない事実に愕然とする。
しばらく自分の老いにへこたれるも、老獪なあきらめのよさで、実家に残っている古いノートの発掘に専念することにした。最初は面白がっていたが、しかしここでも、高校のノートがまるでチンプンカンプンなことに落胆する。特に理数系は、ノートの文字は自分のものなのに、書いてある記号すら読めない有様だ。
これで2001年の抱負が決まった。思い出すだ。昔の出来事を呼び起こし、かつての知識をまた手中にする。温故知新じゃないし、初心忘れるべからずもちがう。単に思い出すだけのことだ。
こうして、自らの殻にこもったきりちっとも外に出ようとしない自分を再確認したりもする。
今年もよろしくお願いします。
クリスマスの夜はカレーを食べた。
まえにカレーの文章を書いたが、今回もアクをとらないカレーだった。そのかわり自分で作るときはまず入れない白ワインとか生姜の入ったカレーだ。
実際、アクをとってもとらなくてもカレーの味は変わらない気がする。でも希望としては、アクはとりたい。しっかりカレーと向き合っている自分を確認する作業だからだ。
カレーと自分。自分と自分。誰かと自分。そしてアクと自分。だんだんわけがわからなくなってくるが、それもまたカレーの味を深めるスパイスになることだろう。
メリークリスマス。
クリスマス・イブの夜は回転寿司を食べた。
空いてるだろうと思っていたら、けっこう客がいた。みんなもりもり寿司を喰っている。やっぱり家族連れが多いが、カップルもたくさんいた。お前らはこれから別の生ものも頬張るんだろう、というシモネタですが。
今日の寿司はいつもより速く回っている気がする。
スカパーの音楽番組で、たまにJJ72というバンドの「OXYGEN」という曲のビデオクリップが流れる。これがわけがわからなくて、実にいい。
小柄なヴォーカルが、はじめは室内で大人しく歌っているのだが、曲の後半にさしかかるといきなり暴れ出すのだ。ギターを床に叩きつけ、テーブル上のカップをバットに見立てたギターで打ち、ドラマーが座っている方向にドラムセットを押し倒す。
部屋のものをあらかた壊した後、庭に飛び出して樹齢ウン年の大木にまたギターをぶちあてる。そのうちギターは全壊、そして何を思ったか大木の枝にぶら下がる。そのとき彼は心なしホッとした顔をしている。
最初にこのビデオクリップを見たときは、あまりの内容に圧倒されてしまった。どうして彼が暴れ出したのか謎すぎる。次に見たとき、歌詞に秘密があるのかと傾聴してみたが、英語力の貧困さからか、これといって得られたものはなかった。ちなみに曲名の「OXYGEN」は「酸素」という意味だ。
どうせなら、彼が暴れた理由はないほうがいい。そのほうがシュールで面白い。
久しぶりに近所のコンビニに行った。
ゲーム紹介のビデオが流れていたのでチラッと見たら、目の大きい女の子が自己紹介していた。特技は中段から下段に移行する蹴りだそうだ。
平川 「どうも」
女性 「はじめまして」
平川 「特技とかありますか?」
女性 「中段から下段に移行する蹴り…かな」
現実にそんな特技の女の子がいたら、ちょっと惹かれてしまいそう。
というか「特技とかありますか?」という質問がありえない…かな。
キムタクが結婚。
そう言えば中学生のとき、好きだった女の子に誕生日を訊かれて「11月13日」と答えたら、キムタクと同じ誕生日はやめてくれ、と言われた。
痛い思い出として残っている。
ドラクエVIIをやっとクリアした。
面白かったかどうかは別にして、とにかく時間のつぶせるゲームだった。つぶしてはいけない時間までつぶしてひとに迷惑をかけたりもできる。全クリアには裏ステージもあるらしいので、とりあえず寸評しておく。
(ここからドラクエやってないと判らないことも書きます)
敵の攻撃すべてに動きがあるんだが、想像の余地をなくしている。不満だったのは「ふしぎなおどり」である。ぜんぜん不思議じゃないのだ。体はピクリともせず高速でまばたきする、などの不思議っぷりもなくゆらゆら踊るだけ。そんな踊りでMPを吸い取られてたまるか、とボタンを連打したのも数知れない。
セリフが下手なファンタジー小説に似てる。ジジババが「ですじゃ」というおかしな語尾をつけたり、やたら「…」が多かったり、説明下手だったり、漢字の変換が統一されてなかったり、いちいちカンに障る。糸井重里さんのマザーシリーズとドラクエシリーズの差を意識せずにはいられなかった。
途中で挿入されるCGがハンパだ。なんと序盤エピソードの2つだけである。ラスボスを倒してもなにもない。エンディングよりは「制作半ばで投げ出したな…」という感想が頭をめぐった。
不満は書ききれないので省略する。逆に思い出深いこともあった。
ラスボスとの戦闘中、レベルの上げすぎで余裕だと判ってしまい、仲間のコマンドをオート機能にしていたら、とつぜんの激しい攻撃であわや全滅のダメージを受けた。そのときだった。
アイラが「みんな、あとはまかせたよ…」と頬に涙をつたわせながらメガザルを唱えたのだ。止めようとする主人公たちの声も届かず、アイラは砕け散った。復活した主人公たち。仲間のために進んで犠牲になるほどの堅い信頼。熱いものが胸にこみ上げる。
実際にこんなシーンがあったわけではない。妄想である。しかしぼくの耳にはしっかりとアイラの「あとはまかせたよ…」が聞こえていたのだ。次のターンでアイラにザオリクをかけたのは、言うまでもない。
個人的にドラクエVIIに足りなかったのは、アイラの「あとはまかせたよ…」だったのかもしれない。
バイクのナンバープレートを盗まれたので、交番に行く。
市役所で新しいナンバーをもらうには、被害届を書かなければいかない。盗難された時間や場所などを話して、ひととおりの手続きをすませる。
話によると、最近このあたりでバイクの部品が盗まれる事件が多いとのこと。ちょうどぼくが盗難にあった日にも、あやしい男たちが駐輪場にいるという通報があったらしい。こういう不届きものは早くトカレフでも暴発させて死んでほしいものである。
「男が駐輪場にたむろっていてさ、バイクのパーツがはずれたりしてた」
「事情聴取とかしたんですか。これもお仕事でして…とか言って」
「したけど、友達を待ってるとか言って逃げられたなあ」
「やっぱり任意だからむりやり連行とかはできないんですか」
「まあね。証拠もなかった」
その警官はかなりの年輩で、話の中に「カミさん」が登場すれば文句なしのコロンボという風情だ。うしろの控え室には藤田まこと似の警官もいた。気分はもう「コロンボ vs はぐれ刑事」である。
「彼らはたぶん窃盗犯だね。わたしもこういうお仕事で制服を着てるからムチャできなくて」
「え、もし制服がなかったら?」
「殴ってでも連行したかな」
コロンボはそう言うと、がはは、と笑った。藤田まことはお茶を飲んでいた。