心霊写真などの怪談ものがテレビでやっていて、もうそんな季節か、と思う。
たしかぼくが小学 4 年生のころ、飼い犬のコロがフィラリアという病気にかかった。病院に連れて行ったころにはすでに手遅れで、家族みんなで懸命に看病したが、もうコロは満足に食事もとれず、散歩にも行けず、しばらくして家に誰もいないときにひっそりと息を引きとった。
父親といっしょに、コロの死体を家の裏手の林に埋めに行った。壊れた蛇口のように泣いていたとき、どこか遠くから犬の遠吠えが聞こえた。コロが最期のあいさつをしたんだ、と思った。
その遠吠えは別の犬のものかもしれないし、またはただのノイズかもしれない。ふつうに考えれば、高ぶった感情が原因で起きた、他愛のない錯覚だろう。しかし当時は、コロの幽霊がお別れを言ったんだ、最期に会いに来てくれたんだ、と堅く信じていた。
実は、いまでもそう信じている。
今日は「尚」と「営」のどちらがオバケのQ太郎に似てるかの論争で一日が終わりました。本当にどうでもいいことですけど、絶対に「尚」の方が似てると思います。頭からすっぽり服を着てる感じがよく出てます。「営」なんて三本の毛が風に揺れてるみたいでヘンです。まったくヘンです。
なにか特別な日じゃなくて、こういうなんの変哲もない毎日がゴチャゴチャと粘土みたいにくっついて、ひとりの人間を形づくっているんだなぁとか思いました。一般論にするのはおこがましいですが。
そしてぼくの一部に「尚 オバQ説」があるという嬉しさと悲しさ。
小さいころ女性の性器をなんと呼んでいたか話題になった。
わが家では「ハッパちゃん」だった。中学生になるまでずっとそう呼ぶものだと思い込んでいて、正式な名前を知ったときは驚いた。数人に確認したところ、どうやら「ハッパちゃん」はわが家だけの愛称のようだ。
母に電話して訊くわけにもいかないので、なぜその愛称になったのか、いまでは知りようがない。アダムとイヴが性器を葉っぱで隠したことに由来するのだろうか。だとしたら意外と高尚なネーミングである。
友達の家では「あんちょ」だったらしい。日本ちんこまんこ学会の報告を見ると、愛称に「ちょ」のつく割合が高いので、メジャーっぽい印象だが、「ハッパちゃん」の宗教的イメージとくらべると、いささかマヌケではある(例・アンチョニオ猪木)。
カタイ話になるが、 1972 年ごろ欧米の性教育教材が日本に紹介され、陰茎や恥毛などの「陰・恥」という用語はなくすべきという考えが広まったらしい。ところが性教育でよくお目にかかる penis は陰のうの意味がなく、男性の性器の総称としては不完全で、 Vagina も「鞘」を指す言葉で、正しい呼名とは言えない。
ストレートに「膣」では子供にはむずかしいが、女性の性器を指す卑語(男性のは「おちんちん」ですね)は、性交を指す言葉として用いられるために使いづらい。そんななかで、ほかに適当な言い方がないから、しかたなく生まれた愛称が「ハッパちゃん」や「あんちょ」だと考えることができないだろうか。
いきなり下ネタかよーと思った人もいるだろうが、調べてみると、これがけっこう歴史的、学術的な話なのである。書いているぼくがいちばん驚いているが。
願わくば、性教育は正しい日本語で行なってほしいところだが、愛称もこれはこれで味がある。みなさんも家だけで通じる女性の性器の愛称はありませんでしたか? あったら掲示板に書き込んでもらえると嬉しいです。掲示板じゃ恥ずかしい方はメールでも OK です。
関係ないが、やっぱり「花びら大回転」は「葉っぱ大回転」の方がしっくりくるような気がする。
ちょっと前に父親から遺産をもらった。
それが、野球の主審が持つインディケーターだった。ストライク、ボール、アウト、そしてイニング数を記録するための計数機である。野球をやらないぼくに、これをどうしろと言うのか(そもそも遺産なのか)。
捨てるわけにもいかないので、ふだん持ち歩き、ボランティアなどの良い行いをしたらストライク、ポイ捨てなどをしたらボールをカウントしようと思う。スリーアウトチェンジで、 9 回までやったら、ぼくは善悪どっちに分かれるだろう。すべてのカウントを 2-3 で終わらせれば、ストライクとボールは同数になるが。
さて、電車で老人に席を譲ろうとしたら「年寄りあつかいするな!」と怒られた場合、ストライクかボールか判定がむずかしい。ぼくとしてはストライクである。結果より、譲ろうとした気持ちが大切だと思うからだ。
また、電車で疲れて座っているとき、老人が目の前に来たが、席を譲らなかった。ぼくに言わせれば、これはボールではない(ストライクにもならないが)。人間は本来、自分の利益や快楽だけを考えて生きる利己的な動物であるからだ。
こうして自己を正当化するための野球がはじまる。異議のある人もいるだろうが、案ずることはない。
おれがルールブックだ。
酒席で、トラックの「バックします」って「ガッツ石松」に聞こえるよね、という使い古された笑い話を話題ほしさにくり返すのは、酔った勢いとはいえ、まだまだ飲みなれていない子供の態度だ。
この前、知り合いのうぐいす嬢に頼みこんで、トラックの「バックします」を「ガッツ石松」に替えてみたんだよ。「バックします」が「ガッツ石松」に聞こえるなら逆もまた真なりってね。そしたらガッツはガッツなんだよ。トラックがガッツでバックしたんだよ!
そこでガッツポーズ。これが正しい大人の態度である。
田中邦衛さんを「たなかくにえ」と言ったら、それは「くにえい」だ、と指摘された。
ちょっと前に、ニュース 23 の筑紫哲也(ちくしてつや)さんを「つくしてつや」と勘違いしていたことがあったが、今回も同じ人に指摘していただいた。ぼくは憶えまちがいが多いので非常にありがたい。
指摘していただいた、とは書いたが、実際には指摘のほかにひどい悪口もついていた。それも、土くれ頭の、食いしん坊の、あんぽんたんの、助平爺の、アニメーター志望、と全人格を否定するののしり言葉だった(最後は特にひどい)。
ところが、しばらくして、田中邦衛さんは「くにえ」が正しく「くにえい」が誤りであることがわかった。ふつうならここで、さらに手の込んだ罵詈雑言をお返しするところだが、ぼくはやらなかった。
この話の教訓は、アニメーター志望は寛大で、とても優しい、まさに聖人であり、あこがれの的を動画にしたような人間なので、みなさんも見習ってアニメーターを志しましょう、ということである。
「特技はなんですか?」と訊かれたらどう答えようか悩んでいる。
就職活動のシーズンなので、こんな質問をされるひとも多いだろう。残念ながらぼくは、おそらくこの手の質問をされない職場に就くことになるが、万が一のために、いまから考えておこうと思ったのだ。
この質問は、すごい特技を言いすぎると、嫌味になってしまうのがむずかしい。また「カツラを簡単に見抜けます」というのも、頭髪を気にしているひとの前では言えない。だから、なるべく役に立たない、質問側を選ばない(ハゲでも困ることがない)特技を用意する必要があるのである。
かなり前のことだが、なにかのテレビ番組で、売り出し中のココリコ(遠藤)が、「ぼくの特技はうまそうに食うことです」と答えたのを見たとき、将来このひとたちは売れるなと思った。まさに役に立たない、他人から反感を買うことの少ない(ないわけではないだろう)、見事な特技だったのだ。
特技はうそでも、確認できなければ大丈夫なので、ユーモラスなものがよい。しかし「しらふで千鳥足ができます」などは、意地悪なひとなら「やってみろ」と言われてしまう。なにごとも、ほどほどがいちばんである。
そういえば思い出した。ぼくは「書き損じた字を正しい字に修正する」のが得意だった。たとえば、「泳」をあやまって「決」と書きはじめてしまったとき。
役に立ってしまう特技だが(?)、少なくとも嫌味にはならないだろうと思う。
忙しくバタバタしている。数日の日記をまとめて書いているあたりからバタバタぶりを推測してほしい。
こう書いても、忙しさがよくわからないひとが多いだろう。そこで、もっとバタバタを具体的に説明したい。バタバタしたいかたはメモのご用意を。
まず両手足をまっすぐ伸ばす。その手足をできるだけ素早く上下左右に振る。以上。
こうやってバタバタしていると、絵もうまく描けないし、文章もまとまらないので、自然と時間がなくなってきて、結果的に忙しくなるという寸法なのである。
バタバタはなるべく時間に余裕を持ってすることをオススメする。
頼まれていた原稿は描き終わりました。いずれコメントつきで公開します。
ようやく少し時間ができたので、ネットで買った本の代金を振りこむために郵便局へ行ってきた。連休のあいだの平日だからかすごい混雑で、朝早く行ったのに整理券の番号はいきなり120番だった。
ぼんやり待っていたら、原稿の疲れがたまっていたせいで眠ってしまった。夢のなかで、正義の仮面ヒーローが悪の怪物をたおし、世界の平和を守っていた。対する悪の軍団をまとめる総統閣下は、シリーズの性質上、いつでも連敗に悩まされているのだった。
総統閣下は今回の作戦を気に入っていたらしく、まわりにあたり散らしていた。部下が思わずつぶやく。
「総統閣下、そうとうカッカしてるな…」
そこで目覚めた。整理券の呼出し番号は118番で、あやうく寝過ごすところだった。
駄洒落もたまには役に立つのである。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが大阪にできた。
一度は遊びに行ってみたいが、関東に住んでいるぼくには大阪は遠すぎる。どうせディズニーランドと同じだ、と勝手に思って、行きたい気持ちをごまかしている。
そんなときに限ってテレビの特集番組を見てしまったりする。ユニバーサル・スタジオだから、とうぜん『ターミネーター』や『バック・トゥー・ザ・フューチャー』などのアトラクションがあって、どれもこれも面白そうだ。ディズニーランドにはない酒類も売っているらしい。言ってみれば大人のワンダーランドか。
さらに気になるのはアトラクションの解説やショーだ。場所が大阪だけに、かなり高い確率で関西弁が使われている。本場アメリカの英語にくらべると、どこかマヌケな感じがして楽しいにちがいない。
おそらく『バック・トゥー・~』のデロリアン号は「デロリヤン号」と呼ばれている。
ところが、そんな車名ではタイムスリップなどできないのだ。スリップするのはギャグだけである。
ああ、行きたい。行きたくない。