- 2008/04/04
『西遊記の神話学』読了。やられたー。悟空=ヘラクレス、観世音=アテナ、という風に『西遊記』はユーラシア大陸の神話伝説を吸収したものと論証した一冊。デュメジル三機能でいえば、F1祭祀が三蔵、F2戦士が悟空、F3生産が八戒と沙悟浄。さらにこの四人は『マハーバーラタ』五兄弟に通じる。 - 2008/04/04
西遊記の神話学:孫悟空の誕生はエリアーデの指摘する「最初の人間は石から生まれた」神話に通じる。さらに孫悟空の活躍は、ヒッタイトのウルリクムミ神話が元ネタになっている。 - 2008/04/04
西遊記の神話学:三蔵法師の誕生エピソードが興味深い。高貴な生まれだったが殺害を恐れた母が川に流し、下流で拾われて育ったのちに出家して三蔵と名乗る。これは旧約聖書のモーセと同じ。ついでに『どろろ』の百鬼丸とも同じ。
補足:有名な『西遊記』の成立をめぐる一冊で、とても面白かった。この本の著者は、ある中国への亡命者が祖国とその神話伝説を懐かしんで『西遊記』を書いたのではないか(大意)、と仮説を述べている。私は、聖書や仏典のように、たくさんの人たちが少しずつ『西遊記』を書きついでいったのではないか、と思った。
入谷仙介『西遊記』の神話学―孫悟空の謎 (中公新書)
目次:
アテーナーから観世音へ
女神の零落
天の纂奪者
パーンドゥ五王子
ヘルメース・プロメーテウス・ヘーラクレース
祭司・戦士・生産者
孫悟空と猪八戒
猪八戒はイノシシかブタか
『西遊記』の根元テーマ
