映画『アース』を見ました。北極から南極まで旅をするように大自然をながめて「地球のことを考えてみませんか」と提案する内容です。
「よくこんな映像が撮れたなあ」とか「どうやってこんな映像を撮ったんだ?」のオンパレードです。いや、撮り方そのものは想像できるんですが、手間のかかりすぎるカットの多いこと多いこと。また、それを目的意識のはっきりした的確な編集でつないでいきます。
系統でいうと『ガイア・シンフォニー』や『WATARIDORI』につらなる映画でありながら、ついでに『ザッツ・エンタテインメント』っぽいところもあります。20秒に一回は水木しげる漫画の登場人物のように「ふはっ!」となること請けあい。
森を俯瞰でとらる構図で、木々に葉がつき、花が咲いて、やがて枯れ、雪で覆われ、また葉がつき……季節はめぐっていく、というカットがありました。これが定点観測だったら撮影法はわかりやすいでしょう。カメラを固定して撮影しつづければOK。でも、この映画は定点ではなく移動、パンやドリー撮影をしています。つまり、年間とおして少しずつカメラを動かして撮影したり、何年もくり返し同じカメラワークで撮影した映像をつないでいるわけです。言うはやすし、ですが、そんな映像を見てしまうとやっぱり圧倒されますね。手間かけすぎ。眼福。
北極グマやアフリカ象など、いろいろな動物が登場します。いつものことなんですが、わたしはネコ科の肩から指先までのつるっとしたフォルムにやられました。アムールヒョウの一歩ごとに肩が盛り上がる歩きがたまりません。雪原を気配を殺しながらそろりそろりと歩くオオヤマネコにうっとり。チーターの狩りの超高速撮影では、しなやかな筋肉の流れ、躍動感にこころを奪われました。ああ、生まれ変わるならネコ科の動物になりたい。
映画館の不備なのか、デジタル撮影の弱点だったのかわかりませんが、ピントがやや甘いのが残念でした。こども料金500円はとてもすばらしいと思いますが(まんが映画もみんな500円にしてしまえ)、狩りの場面で血が描かれなかったり、獲物を食む様子が隠されているところは、すれっからしのおっさんにはちょいと物足りなかったです。



