『医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か』はすごい。詳しい内容についてはサイコドクターぶらり旅をごらんください。
わたしは看護師を親に持ち、小さいときから話を聞いて育ったので、医師や医療のつらい立場のことをちょっとだけ知っている。また、近い間柄の人が深刻な医療ミスで取り返しのつかない出来事に巻きこまれたことがあり、医師と患者とそれをとりまく環境の抜きさしならない関係は、読んでいて身につまされた。ひとことで言えば、「人間らしさ」と「システム」との宿命的な戦いだろうか。その戦いがこじれ、溜めこまれたウミがいつかはじけ出る。いや、すでにウミは出はじめている。本書は、その前になんとかしなくてはならない、という提言をしている。
周防正行監督には次にこれをネタにした映画をつくってほしいな、と思った。社会派、プロパガンダは映画に向いてるとは言いがたいのだけど、それに打ってつけのテレビが取り上げない(取り上げられない)以上、これも「映画の役割」になってしまうのかもしれない。まちがいなく「アニメの役割」ではないわけで。
