『LOST』のつづき、ロバート・アルドリッチを再見

 『LOST シーズン1』を6話まで見た。前回の感想で書いた「行動の制限」と「全体会議」が描かれていた。なるほどここで来るか、なんて感心するものの、スマートなつくり方にもちょっと飽きてきた。ハッタリと叙情性で逃げる演出が多いのはドラマだから仕方ないが、ジャックが崖から落ちそうになる場面で、かんじんの崖の高さがわかりにくい雑な撮り方はどうなんだろう。おそらく撮影・編集にルールが決められていて、それを守っているからこうなるのだと思う。ルールの中心になるのは「臨場感」だろう。しかし、島の謎にかかわる場面でけっこうでたらめに撮っているせいで、やや統一感に欠けるような気もする。

 口直しにDVDを引っぱり出して『飛べ!フェニックス』、『特攻大作戦』、『ロンゲスト・ヤード』を見直した。娯楽映画のフォーマットに無視をきめこむ変な演出で、面白いのに参考にならないことこの上ない。なぜか切り返しを使わず、ロングとミドルでむりやりつないでいる。そのため会議室のようなところで何人かが話し合う場面など、かなりおかしい。いきなりアップに振ったりして、ぎくしゃくしている。

 脚本的にも、たとえば『飛べ!フェニックス』なら、頑固な職人気質のパイロットと、機械のような冷血漢の航空機デザイナーが、共同作業をとおして友情を結ぶようにするだろう、ふつうは。ところが、ぜんぜんそうしない。いちおう、それらしい場面はあるものの、さらっと流している。同じように『特攻大作戦』で運悪く死んだ戦友など、2秒くらい死体を映すていどで「こんなもんでいいでしょ」と言わんばかりだ。なんでこう、新人がやったら怒られそうな演出をいちいちやるのか。そして、そのくせ面白い仕上がりになる理由はなんなのか。わけがわからない。

 『LOST シーズン1』を見ているときは、ふつうならこう演出するだろう、という「定石」を軸にして文句をつけているのに、いざアルドリッチ作品に向かい合うと、わたしのなかの「定石」がもっきり折られてしまう。そういう意味でも面白い。

LOST シーズン1 DVD Complete Box

飛べ!フェニックス 特攻大作戦 ロンゲスト・ヤード

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