獄医立花登手控え

 藤沢周平『春秋の檻―獄医立花登手控え』が読みおわった。牢屋で医者をつとめる主人公が囚人の頼みごとを聞いたり、事件の真相を調べたりするお話。いやあ面白かった。人情あり、アクションありで痛快この上ない。

 主人公の立花昇が22歳の若者というのがミソなんだろうな、と思った。とても正義感が強く、女性はまだ苦手だけど、ケンカはめっぽう強い。キャラクターの造形が美しすぎて、いまどきこんなやついるもんか、と言いたくなるけど、時代小説だし、若者だし、と思えば納得できる。でも、だからこそ、一度ミスって極悪人を牢から出してしまったエピソードが作品に厚みを与えているようで良かった。

 主人公のあやつる柔術の技の名前やその描写が、いまいち想像しにくい。藤子不二雄が描くような、腕をL字にクロスさせるとなぜか相手が飛んでいるという、あの謎の柔術をつい思い浮かべてしまう。

 ではジロ・デ・信州にいってきます。怪我しないようがんばります。

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