再読

 深夜に帰宅する途中、誰かにあとをつけられている気がした。

 止まって振り向くと誰もいない。進むと同じ速さでついてくる足音が聞こえる。曲がり角を先回りして、相手が来るのを待ったが、足音は角の手前でやんだ。こちらが尾行に気づいているのを相手も承知なのだ。

 ぼくは言いようのない恐怖にとらわれて、わき目もふらず全速力で走った。それでも足音はついてくる。無我夢中で飛ばしていたら、家の近くでついに足音は消えた。家に着いたあとも胸のあたりが気持ち悪くて、その晩は早く寝ることにした。

 どうしてそんなに恐かったのか?

 ぼくは家路でずっと、バイクに乗っていたのだ。

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