そういえば思い出した。
先日、六本木に向かうため駅についたとき、鼻汁が出てきたのだがティッシュがなかった。トイレは駅の構内にしかないし、まわりに知人もいない。無情な鼻汁はどんどん垂れてくる。絶体絶命だった。
しばらくがんばって吸い上げていたが、もうどうにもならなくなって、近くのそば屋のトイレに駆けこんで鼻をかんだ。問題はそのあとだ。もちろんそばを食べる気はない。待ち合わせの時間も迫っている。しかし店に入った手前、なにもせずにトイレだけ借りて出るのは恥ずかしい。まさに一難さってまた一難だった。
そのとき名案をひらめいた。携帯電話をとり出し、耳に当ててトイレの戸を開けると、「先輩ですか? いま駅です。急いで行きます」と叫んで店を出た。待ち合わせという設定を使ったのだ。
いま考えても、手持ちの道具と知恵だけで見事に窮地を脱する、特攻野郎Aチームもまっ青な作戦だったと思う。ぜひ飲みの席などで語りたい。われながら鼻の高い武勇伝だ。
いまだに携帯電話を買おうか迷ってるひとは、この事件を参考にするといいんじゃないでしょうか。